昨今、ビットコインをはじめとする仮想通貨がかなりの熱を帯びています。仮想通貨は簡単に購入も売却も可能ですが、税金の取り扱いはどうなるのでしょうか。売却時に利益が出ていれば税金がかかるということは容易に想像がつきますが、使用した場合にも税金がかかる場合があるので注意が必要です。
12月1日には、国税庁より「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」が公開されたので、この情報に沿って個人の所得税について簡単にご説明いたします。
1. 仮想通貨を売却して利益が出た場合
Ex .12月1日に1BTCを120万円で購入し、12月21日に1BTCを200万円で売却した
・売却価額と取得価額の差額が所得となります。
200万円-120万円=80万円
原則として80万円が雑所得として、所得税の確定申告が必要となります。
※ 給与所得(年末調整済み)のある方で、雑所得が20万円以下の人については、確定申告は不要です(その他の所得がない場合)。
2. 仮想通貨で商品の購入をした場合
Ex.12月1日に1BTCを120万円で購入し、12月21日に20万円の商品を0.1BTCで購入した
・商品の価格と仮想通貨の取得価額の差額が所得となります。
20万円-120万円×0.1BTC=8万円
※ 他の仮想通貨に交換した場合も、同様の考え方となり、他の仮想通貨の時価と保有する仮想通貨の取得価額が所得金額となります。
3. 仮想通貨の取得価額
同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合には、原則として移動平均法により取得価額を計算することとなりますが、継続適用を要件として、総平均法を採用できます。
4. 損失の取り扱い
雑所得の金額の計算上、仮想通貨の売却や使用によって損失が生じた場合には、他の所得と通算することができません。
仮想通貨の市場は今後も増えていくことは予想されます。重複しますが仮想通貨は、売却だけでなく使用した場合にも税金が発生することがありますので注意が必要です。
(参考:仮想通貨に関する所得の計算方法について)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku
(担当:高久田)
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