【判例コラム】～妻の病気を理由に異動拒否、どうなる？～

大阪地方裁判所は、平成30年3月7日、妻の病気を理由に異動を拒否したものに対して行った懲戒解雇は無効であると判断しました。

この判決では、原告（解雇をされた人）の妻が、うつ状態やパニック障害等により、家事をするのもままならない状態であること、原告が異動をすれば症状が悪化してしまう可能性があることを認定しつつ、これらを理由に異動を拒否した原告に対して行った懲戒解雇処分は無効であると判断しました。

今回の判断は、異動が転籍を伴うものであったり、疾病の程度も比較的重いものであるなど、様々な要素が重なったという事情がありますが、人事異動にかかる権限濫用とされるケースは至る所に潜んでいます。

人事は企業にとって最重要課題の一つなので、慎重かつ適切に行いたいものです。

参照裁判例： http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87605

（担当：萩生田）