【民法改正ナビ】どう変わるの?消滅時効


【民法改正ナビ】どう変わるの?消滅時効

 

■POINT

①時効完成までの期間を統一

②用語の見直し(中断→更新、停止→猶予)

③協議による時効の完成猶予制度の創設

 

■説明

債権は、長い間権利を行使せずにこれを放置しておくと、債権は消滅してしまい、債務者に請求をしても支払いを受けることができなくなってしまいます。

これを、「消滅時効」といいます。

今回の民法の改正では、消滅時効の制度はどのように変わるのでしょうか。

 

①完成までの期間が統一

これまで、債権の種類により消滅時効が完成する期間が異なっていました。例えば、個人間の借金などの一般債権については10年、私たち弁護士の報酬請求権などの債権は2年、工事などの請負代金債権は5年など、それぞれの債権の種類によって、時効が完成する期間が異なっていました。

新民法ではこれを改め、一律、権利認識後5年、あるいは権利行使できるときから10年のうち短い方、としました。

(※不法行為による損害賠償請求権や特別法の場合の例外あり。)

 

②用語の見直し

消滅時効は、一定の行為によって、その進行を巻き戻したり、一旦停止することができ、これらを「中断」、「停止」という用語で示していました。しかし、例えば、「中断」というのは、一般的には一旦停止し、その後にまたその時点から進行をするという意味合いを持つのに対して、法律用語では巻き戻して初めから進行をし直すという意味を持っており、わかりにくいという指摘がありました。

そこで、新民法では、これらの用語を統一し、「中断」を「更新」に、「停止」を「猶予」に、それぞれ一般的にもわかりやすい用語に置き換えました。

 

③協議による時効の完成猶予制度の創設

消滅時効の完成が近づいた時期において進行を止めるための制度として、当事者間の書面による合意で、時効の完成を1年以内の期間で遅らせる猶予制度が新しくできました。

 

いずれの改正点も、把握しておかなければ、思わぬ落とし穴にはまってしまう、ということになりかねません。

これを機会にご自身の会社や事業で未回収の債権を見直してみてはいかがでしょうか。

 

(担当:萩生田)