【民事信託ナビ】民事信託の税務 第1回 効力発生時の税務


民事信託という言葉をいろいろな場所で聞くことが増えたと思います。

ここでは、民事信託に係る税務(効力発生時の税務)について説明をしていきたいと思います。

信託に係る税務は、信託の種類により異なります。信託の種類は、税務上5種類に分かれますが、民事信託に関係する信託は、受益者等課税信託(例外として法人課税信託があるがここでは割愛します。)であり、その考え方を説明します。

 

 

・課税の考え方

受益者等課税信託においては、実質的な経済的利益を享受する人に課税されます。

そのため、信託の効力発生時点において実際に経済的利益を受けた人に着目します。

ここからは委託者、受託者、受益者ともに個人であることを想定します。

 

1.自益信託(委託者=受益者)の場合

 

自益信託とは、委託者が自ら受託者となる信託です。この場合、信託財産は委託者から受託者へ所有権が形式的には移りますが、実質的には委託者=受益者であるため、経済的利益の移転がないため、課税関係は発生しません。

しかしながら、印紙税や登録免許税といった形式的な所有権移転のための流通税は発生いたします。

 

 

2.他益信託(委託者≠受益者)の場合

 

他益信託とは、委託者と受益者が異なる信託です。自益信託の場合は、形式的には所有権が移転しているものの、実質的には所有権が移転していないため課税関係が発生しませんが、

他益信託の場合は形式的にも実質的にも所有権が移転することとなるため課税関係が発生いたします。

この所有権の移転時において、適正な対価の授受がある場合とない場合で課税関係が異なります。

適正な対価で所有権が移転された場合には、委託者側で譲渡所得課税がされ、受益者側では課税関係は生じません。

また、無償の場合や、適正な対価の授受がない場合には受益者側に贈与税等が課せられることとなります。

(担当:高久田)