【判例コラム】代表取締役を選ぶのは株主?取締役会?


判例コラム:代表取締役を選ぶのは株主?取締役会?
(最高裁判所第三小法廷決定 平成29 年2 月21 日)

取締役会設置会社では、代表取締役は取締役会で選定されます(会社法第362条)。その取締役は株主総会にて選任されます(会社法第341条)。

では、どうせ株主総会で選任された取締役で組織される取締役会で代表取締役を選ぶのであれば、最初から株主総会で代表取締役を選定することはできないのか?
今回、最高裁が、非公開会社の事案ではありますが、取締役会設置会社において、取締役会決議によるほか、株主総会決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の効力についての判断をしましたので、ご紹介します。

【事例】
非公開会社(全ての種類の株式について譲渡制限が付されている株式会社)・取締役会設置会社であるA株式会社における「当会社に代表取締役1人以上を置き、取締役会の決議によって定めるものとする。ただし、必要に応じ株主総会の決議によってこれを定めることができるものとする。」旨の定款の規定の有効性が争われた事案

【会社法第362条】(取締役会の権限等)
第2項  取締役会は、次に掲げる職務を行う。
第3号  代表取締役の選定及び解職

法が代表取締役の選定は取締役会の権限と言っているので、取締役会設置会社の場合に本事案の定款のただし書きを有効とする必要はないようにも思えます。しかし、最高裁は、非公開会社である取締役会設置会社が、定款において、取締役会の決定権限を排除することなく株主総会においても代表取締役の選定権限があることを定めることは有効と判断しています。
なお、今回の判断は明示的に非公開会社に限定しているので、公開会社にも適用されるかは定かではありませんが、非公開会社の企業統治に影響を及ぼす最高裁の判断として参考となりそうです。

(担当:萩生田)