遺言書とは?3種類ある遺言方法の特徴と遺言書が持つ6つの効力


今回は、「遺言書」について解説します。
遺言書とは何か、遺言書の種類とその特徴、遺言書の持つ効力を解説します。

 

遺言書とは

「遺言」とは、自分の死後、生涯をかけて築き上げた大切な財産を誰にどのように分けるかを示した、意思表示のことです。

「遺言書」とは、その意思を、形に示したもの(書類)のことをいいます。

 

遺言がない場合は、相続人同士で集まり、遺産分割協議によって、誰がどの遺産を相続するか決めることとなります。

この際、相続できる者は、民法が定めた「法定相続人」だけであり、誰がどれだけ遺産を相続できるかは、それぞれの「法定相続分」によって基準が定められております。

(相続人全員が納得すれば、法定相続分に従う必要はありません。)

 

・法定相続人以外の人に相続したい

・特定の者に多く相続したい

このような場合、遺言書を作成することで、遺言者の意思通りに遺産を譲ることできます。(「遺贈」という)

 

遺言書の作成方法は3種類!それぞれの特徴とは

遺言書の作成方法には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

自筆証書遺言

「自筆証書遺言」とは、本人が自筆で遺言書を作成する方法のことをいいます。

自分で書くことができ、費用も一切かからず証人も不要のため、一番多く利用されています。

また、遺言の内容や存在を秘密にすることもできます。

 

ただし、一字一句全てを自筆で書く必要があり、書き間違えや遺言内容が曖昧な場合には遺言書として無効になってしまうこともあります。

また、折角遺言書を作成しても、死後に発見されず紛失してしまうケースや、他者によって改ざん・偽造されてしまう恐れもあります。

 

公正証書遺言

「公正証書遺言」とは、公正役場で公証人に遺言書を作成してもらう方法のことをいいます。

原本は公正役場に保管されるため、自筆証書遺言のように紛失してしまったり、改ざんされることなく安全です。

また、公証人の助言を受けながら遺言書を作成するため、遺言が無効になることもほとんどありません。

 

ただし、遺言内容は公証人と証人に知られる他、公証人の作成手数料や弁護士への依頼料等、費用がかかります。

確実に有効な遺言を残したい場合や、多くの遺産がある場合に利用するといいでしょう。

 

秘密証書遺言

「秘密証書遺言」とは、本人が自分で作成した遺言書を公証役場で公証人と証人に証明してもらう方法のことをいいます。

本人の自筆の他、代筆・パソコンでも作成でき、証人は遺言の存在を知るだけで、内容については知られません。

遺言内容を秘密にしたまま、遺言があることを公証人に証明してもらえることが、秘密証書遺言のメリットです。

 

ただし、公証役場では、「遺言書を作成した事実がある」ということが記録として残るだけで、遺言書自体は自分で保管するため、紛失などのリスクは防げません。

そのため、費用と手間がかかるわりにメリットが少ないため、あまり使われていません。

 

遺言書が持つ6つの効力

遺言書には、様々な効力があります。

遺言書によってできることを、ご説明します。

 

相続人以外に遺産を譲ることができる

相続人以外に、遺産を譲りたい人がいれば、それを明記することで指定した人に遺産を渡すことができます。

これは、必ずしも人である必要はなく、神社や寺、公共団体などに寄付することもできます。

また、遺言者が事業を行っている場合は、その後継者を指定し、株式や事業用財産を相続させることもできます。

 

相続分を指定できる

相続人にはそれぞれの法定相続分が決まっていますが、遺言によって、法定相続分を超えた遺産を譲ることができます。

ただし、それによって他の相続人の「遺留分」を侵害した場合には、遺留分減殺請求(遺留分侵害請求)によって、返還を要求されることもあります。

 

相続人を廃除できる

相続権を持つ人の中に、財産を相続させたくない相手がいる場合は、相続対象から廃除することができます。

生前に、虐待や重大な侮辱、著しい非行などを受け、それを家庭裁判所が認めれば、相続権を消失させることができます。

 

隠し子を認知することができる

認知していない子には相続権はありません。

遺言によって隠し子を認知することができます。

 

遺言執行者を指定できる

遺言の執行者を指定することができます。

遺産相続には、財産の名義変更や事務手続きが必要となるケースが多くありますが、遺言執行者を指定することでスムーズに相続を行えるようになります。

 

保険金の受取人を変更できる

遺言書によって、保険金の受取人を変更することができます。

受取人を変更したことで、相続税が変わることがあります。

 

まとめ

・遺言書とは、遺言者の意思が反映された、誰にどの財産を分けるかを示したもの

・遺言書の作成方法には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がある

・遺言書は、民法で定められている相続人、相続分を超える効果を持つ

 

いかがでしたか?

 

遺言書では、遺産相続において自分の意思を反映させることができます。

お世話になった人、気にかけていた相手がいる場合は、遺言を残すことをおすすめします。

 

また、相続問題は自分の死後、家族や親族の関係が悪化する原因の1つでもあります。

誰がどの遺産を相続するかで揉めないように、生前に決めてあげるといいでしょう。

 

今回の記事が、皆様のお役に立てれば幸いです。